現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第九十一夜 渓流の妖(あやかし) 08/03

さて、再開と言いつつも再び日が開いてしまい大変失礼した…
また、明日から再び、今月半ば頃まで更新が滞る事と、頂いたコメントへの返事が遅れている事をお詫びすると共に、もうしばらくご了承頂きたい。
自分を初め、当メンバーは、先だって現世から身を隠した親愛なる女性達の為に集まり、祈る事になる。

一人は、女神。
一人の男への愛を胸に現世に顕われた神聖なる御方。

一人は、人の子。
美しく陽気で、一人の実直なる男を愛しつつ眠りに着いた女性。

いずれ、このブログで語らせていただく事になるだろう……

さて、今夜は久し振りにメンバー「山男」の持ち帰った南アルプスでの怪異譚。
お聞き頂こう……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~俺が今年の春先、甲斐駒ケ岳から静岡県・寸又峡まで縦走した時の事。
ラストの薮扱ぎに手間取って、寸又峡への林道に出たのは既に夜の十時を過ぎてしまった。
なんとか林道に出たが、これから下って寸又峡の集落に出ても投宿も入浴も無理だろう、
と判断し、林道沿いに少し下った寸又川の流れの音が聞こえるちょっとした広場でツェルトを張り、
夜明かししてから寸又温泉郷に出ようとさっさと就寝してしまった。
長距離を踏破してきた疲れも手伝い、トリスのポケット瓶を半分程空けた所でぐっすりと眠り込んだ俺だったが、
午前三時頃、川の流音に混じって聞こえてきた妙な嬌声に起こされた。

きょー、きょほー……
けろげろけけけけ……

まるで童女がカエルの鳴き声を真似ている様な奇妙な声に、ボーっとしていた思考が徐々に戻ってくる。
山の獣には、まさかと思うような不思議な、または不気味な声で鳴く動物も多いが、
俺が今まで聞いた事の有るどの動物の声とも違う。
と言うより、先にも述べたが明らかに人間が、それも幼い女童が発するような高く澄んだ声なのだ。
聞こえてくるのは明らかに川からで、幸いこの林道は川から高く離れた場所に有るので少し安心し、
俺はそっとツェルトから外に出て、双眼鏡を使って声の聞こえてくる河原を見下ろしてみた。

すると、そこにはぼうっと青白く光る数人の、いや数体の得体の知れないモノが戯れていたのだ。
首の辺りで切り揃えられた頭髪、そう俗に言うおかっぱ頭の下には黒目の無い切れ長の目。
つんと尖った鼻の下に、耳まで、とは言わないが明らかに大きく裂けている、唇の無い口。
体は人間の女に近く、豊かな乳房と締まった腰、なだらかな尻を持つが全身に銀色に輝く鱗を纏っている。
そして、背中にはピン、と張った背ビレが見えた。
手と足は動いているのと水の中に有るので良く見えないが、普通の人間の物とは違い細く永く、指は確認できない。

「あれは……山女、か?」
俺が思わず独り言を呟いた時、彼女らの瞳の無い目が一斉にこちらを向き、
バシャバシャと水しぶきを上げながら川の中に潜ってしまった。

かつて、俺の山の師から聞いた話。
奥山の渓流に棲む魚達は、有る条件の揃った夜だけ人の様な姿を取る事が出来る。
岩魚は逞しい男の姿に、山女はたおやかな乙女の姿に……
そして運悪く川の近くでそれに遭遇したものは、見入られ、川に引き込まれてしまう。
そして翌朝、水死体で発見されるのだと……

「たおやかな乙女、ねえ……」
俺は一つ溜息をつき、ツエルトに潜り込んでトリスの残りを一気に飲み干し、目を閉じた。
川からは再び嬌声が響き出している。
まるで、俺を誘うかのようなその声を子守唄に、俺は深い眠りに落ちて行った。


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お!!

よかった、管理人サン健在のようで、一安心しました。

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