現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第百二夜 中庭の影 05/13

連休も終わり、日常生活もようやく落ち着いてきた……
今回の連休も日本中の道路が渋滞し、車で遊びにやって来た風熊も渋滞に巻き込まれて往生したと言っていた。
風熊はウチと宮大工氏の家に泊まったのだが、宮大工氏と沙織様の双子の御子達、
特に娘ちゃんにベタベタに懐かれているのでウチには一泊だけで後は宮大工氏の家に厄介になっていた。
風熊に拠ると、娘ちゃんはどんどん沙織様に似てきており、ちょっとした仕種などにドキリとする事があるそうだ。
もちろん自分達もそれは感じているが、普段から一緒にいるわけではない風熊には顕著に感じられるらしい。
娘ちゃんは我が家の双子の事をとても可愛がってくれるのだが、時々娘に向かって「おかーたん」と呼びかける事があり驚かされる。
子供達が物心つく頃、どの様な関係となっているか興味深くも恐ろしくも感じる。

さて、今夜は連休中に風熊から聞いた、二十年程前のとある病院でのお話……
東京の西、江戸川を越えてすぐの市に有るかつては陸軍病院であったとある国立病院に
当時大学生だった風熊が盲腸で入院した時の話である。

それでは、お聞き頂こう……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あれはまだ俺が二十歳になるかならないかの頃です。
貧乏学生だった俺は講義が終わるとバイトに精を出し、知人の伝手で世話してもらった
古く大きな洋館に祖父母、母親、中学生の娘さんで住んでいるお宅に格安で下宿させてもらっていました。
旦那さんは少し前に不慮の事故で亡くなり、男手が足りなかったのでそれを補う事を条件にただ同然で
三食風呂寝床を提供して頂いていたのです。
で、ある日の事、下宿先へ帰宅後に夕食に呼ばれたんですがどうも妙に横っ腹がシクシクと痛むので
夕食は遠慮して早めに寝床に着いたけれど、痛みがどんどん酷くなってきて眠るどころじゃなくなりました。
余りに痛いので胃腸薬をもらおうと起き出して居間に行くと、
俺の顔を見た娘さんが「顔が真っ青だよ!」と驚き熱を測ってみたら39度オーバー。
時間的にもう深夜だけれど、近場の国立病院が救急をやっているからと
お祖父様が車を出してくれて病院へと連れて行ってくれました。
結局、盲腸が破裂寸前だったという事で緊急入院し、翌朝すぐに手術となり一週間ちょいの入院生活となりました。
手術当日はあまり身動きも取れずに管を通して小用を足していましたが、
翌日にはなんとか起き上がれる様になり激痛を伴いましたが管も抜けて通常通り排出出来る様になりました。
しかし管を抜いたばかりで痛みが激しく、一度に大量の用を足せないのでちょこちょこと便所へと向かっているうち、
すっかり日も落ち消灯時間になってしまったのです。
それでも用は足したくなるので一~二時間に一度便所に行く状況だったのですが、
うとうとと二時間程眠り込んだ後に尿意をガマンできなくなって便所に向かうと、
便所の窓の外からなにやら声がしているのに気付きました。
自分の病室は三階にあり、便所は病院の中庭を見下ろせる位置にあったので
中庭で当直の医師か警備員が会話でもしているのかと思い何気なく窓から見下ろしてみると……

そこには十人程の、旧日本軍の軍服らしきものを着けた人たちがビシっと並んでいたのです。
列の前には一人、士官の様な感じの人が左右に往復しながら何事かをしゃべっていて、
俺が一体その光景が何なのか判断できずに呆然と見下ろしていると
「大丈夫ですか?」
と後ろから声を掛けられ
「うひゃあっ!?」
と、驚きの余り情けない悲鳴を上げてしまいました。
すると、今まではっきりと見えていた中庭の軍人さん達の姿が掻き消す様に消えたのです。
俺に声を掛けて来たのは見回り中の看護士さんで、ベッドに居なかった俺を探していたら
トイレで長時間ぼけっと立ち尽くしていたので心配になって声を掛けたとの事。
看護士さんに自分の見た事を話そうかと思ったのですが、怖がらせたり妙な噂の元になってもイヤだなと思い
何気ない風を装って病室へと戻りました。
その後は二度とそんな事を目にはせず退院したのですが、ある時下宿先のお祖父様にふと話をしてみたら
「あそこは戦時中は陸軍病院で、前線で大怪我して返って来た兵隊さん達や空襲に遭った人がたくさんいたからなあ」
と教えてくれたのです。
自分でも調べてみたところ、開戦当初こそ前線で負傷して後方送りとなり帰国した兵士は多数いたものの、
その後日本の敗色が濃くなって来るとそんな余裕も無く現地で命を落とす人が多かったらしいので、
あの時俺が見た兵隊さん達は怪我を治してこれから再度前線へと出向く人たちの念だったのかなと思いました。

今でもあの病院の中庭で彼らは整列しているのでしょうか?
もしどなたか入院なさったら、確認してみて下さい……

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Jさん更新お疲れ様です。
風熊さんも何気に只者では無い方ですよね。
今までのエピソードからしても、宮大工さんに一脈通じるものを感じます。
何より魂がピュアな人なんだろうなぁ。。だから人だけでなく、人ならざる者まで引き寄せてしまう魅力があるんでしょうね。

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min様、いつもありがとうございます。
また、返信遅れまして失礼致しました。

風熊は仰るとおり良く言えば非常に純粋な、良い意味で子供がそのまま大人になった様な男です。
他人の不幸を心から悲しみ、他人の幸福を心から喜ぶ事が出来る稀有な人間ですね。
彼は赤ん坊を始めとする子供や動物に非常に好かれるのですが、これは彼の心根がピュアであるからでしょう。
また、彼の事を好きになる女性も非常に心が美しい場合が多いですね。
ただ、邪な大人の男女からは煙たがられ、嫌われる事も多いのですが、本人はまったく気にせずそう言った連中にも接するので見ていると面白い事も有ります。
かつて沙織様が彼の事を「真の意味で王たる器を持っています」と仰った事が有りますが、迷走する今の日本の長に彼を立ててみたら上手く舵をとってくれそうな気がします。

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