現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第十八夜 時間の路地裏 12/06


自分と風熊と共通の友人に不幸が有り、
数日間留守にしてしまい更新が遅れてしまった...
今年は自分も含め、周りに事故や病気が多い。
何か有るのだろうか...?
さて、今夜は昨日まで一緒に居た風熊から聞いた話をお耳に入れよう...

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


葬儀が終わり、何人かの友人達と亡くなった友人の部屋に泊めてもらうことになり、
酒を飲みながら亡き友人を偲んでいると、最後まで起きていたのは自分と風熊となった。酒を酌み交わすうち、風熊が話し出した。

「なあ、お前は今まで生きてきて”あの時こうすればよかった”とか思う事は有るか?」
「そりゃ有るさ。誰だって有るんじゃないかな。でも、アンタは無さそうに思えるけどな」
「なんだそりゃ、俺ゃ獣かなんかかよ。俺だってそういう事は沢山有るさ。で、だ。先月寒くなる前にと思って中国地方へツーリングに行ったんだ」

風熊には現在妻も彼女も居ないし本人曰くモテないムサ親父の日本代表だそうだが、それでも若き頃に多少は女性に縁の有る時期が有ったそうだ。
その当時、彼の仕事場にバイトで来ていたユリちゃんと言う可愛い女子高生と仲良くなり、バイクに乗せて送り迎えしたりしている内に告白されたが、とにかくバイクで旅をする事に夢中だった上、地元の女子高生なので問題になるかと思い断ってしまったそうだ。
もちろん、現在は激しく後悔していると。
「あの当時の自分に会ったらブン殴ってやりてえ。勿体無い事しやがって!とこないだまで思ってたんだがな...」そして、風熊は語りだした。

先月鳥取から大山・蒜山を抜けて出雲で一泊した時、大社にいくついでに夕食がてら街中をウロウロていた。
なんだか懐かしい雰囲気の路地に入り込むと、ユリちゃんと仲良かった当時に良く連れていった居酒屋(もちろんユリちゃんには酒は飲ませなかったとの事)とそっくりな店が有り、ふらふらと入ったんだ。
カウンターしかない店内もそっくりだが、ビックリしたのは店の親父さんとお母ちゃんもそっくりだった事。
かつて必ず座っていたカウンターの隅に座ろうとするとお母ちゃんが「あ、すみませんねえ。其処は予約席なんですよ」と言うので二つあけて椅子に腰掛けた。

メニューもそっくりで、青春時代を懐かしみながら飲み喰いしていると一組のカップルが入ってきて予約席に腰掛けた。ふと二人を横目で見てあまりの事に持っていたぐい飲みを取り落としてしまった。
そのカップルは、紛れも無く若き日の自分とユリちゃんだったのだ。
「うわっ!」「きゃっ!」驚くカップル。だが俺は呆然と二人を見詰めていた。
「ちょっと、なんか文句でも有るんですか。ジロジロこっち見て」
若き日の自分がむっとした様に声を出す。我に返った俺は「ああ、すみません、あなた達が知人にそっくりだったんでビックリして...」と言ってお母ちゃんから雑巾を貰いこぼした酒を拭く。
二人は訝しげにこちらを伺いながらも注文をし、飲み喰いしだした。
俺は、一人でもくもくと飲んでいるようなふりをしながら二人の会話に集中していた。

「・・・私じゃダメなんですか...」
「ユリちゃんが嫌いなんじゃない。いや、大好きなんだ。だけど、まだキミは高校生だし来年は受験だろ?もし受験が終わってまだ俺の事が好きでいてくれるならその時にまた改めて話をしよう...」
間違いない。まさにあの時、あの瞬間に俺は居る。そして確かにあの時、酒をこぼした上俺とユリちゃんを見つめながらビックリしていたヘンなおっさんが居た!アレは、俺だったのか!?ここで、俺は俺に何か言うべきなのか?しかし、なんて言えばいい?俺が未来のお前だ、って言っても信じるか?もし信じて、ユリちゃんと恋人になったら未来が変わる?と言う事は、今の俺は居なくなるのか?

一瞬にして様々な思考で脳が埋め尽くされる。
数分後、俺は答えを出した。そう、今の人生に悔いが無い訳じゃない。
だけど、結構今の自分を気に入ってるんだ。
ユリちゃんが泣きながら店を飛び出す。そして過去の俺は、俺がそうだったようにユリちゃんを追いかける事はしなかった。
過去の俺が一時間ほど飲んだ後、項垂れながら会計を済まし出て行くのを見送った。
現在の俺も相当酔っ払っていたが、もう一杯冷やをきゅうっと煽って店を出た。ふら付く足取りでホテルへ帰ると、シャワーも浴びずにベッドに倒れこんだ。

「・・・って話なんだ。信じるか?」
「ああ、アンタの話だからな。それにしてもその出雲の路地に俺も行ってみたいな。もしかすると、俺の過去にも会えるかもしれないな。」
「ああ、流石に神様の会議場だけの事はあるな...」
自分と風熊は更に酒を酌み交わし、その夜は亡き友人と過ぎし過去を偲びながら飲み明した。





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はじめまして。
最初の頃から毎夜楽しみに通っております。
これからも頑張って下さい。

オオカミ様の話も好きなのですが、今夜の話も素敵で淡く切ないですね…。
うたた寝の末に見る夢のような話ですが、実際その場に出くわしたら自分はどんな行動を取るのだろうかと考えると、少し怖い気もします。
まぁ仮に私がこんな場に出くわしたとしたら、未練たらたらの行動とりそうですが…w

近しい人に不幸が続いているそうですが、気を落とさずに体と事故にお気をつけ下さい。

ナル様
ようこそいらっしゃいました...
暖かいお言葉ありがとうございます。
これからもどんどんお話を追加していきますので応援よろしくお願いいたします。

もし自分がこの路地裏で過去の自分と出会ったら...いったいどうするでしょうか?果たして風熊のように冷静に判断する事が出来るか、不安ですね。
ただ、彼の言うとおり、そこで何か行動してしまうと現在の自分は居なくなるのではないかと言う恐怖感は有ります。その時、自分はどうするか・・・?
やはり、その時になってみないとわかりませんね。

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