現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第二十参夜 心帰旅 12/14


今夜は宮大工氏のお話...
宮大工氏の下へお伺いする日程がほぼ決まった。
初めは自分だけでお伺いする積りだったが、
風熊と美神の二人も同行する事となった...
美神は年末の帰国を迷っていたが、宮大工氏とお会いできるならと急遽帰国を決めた。今からとても楽しみである。

それでは、宮大工氏のお話をお読み頂こう...
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

オオカミ様のお社を修理し終わった後の年末。

親方の発案で親方とおかみさん、そして弟子達で年末旅行に行く事になった。
行き先は熱田神宮と伊勢神宮。
かなり遠い所だが、三種の神器が一つずつ納められている場所であり、また自分たちの仕事上一度くらいは見て置きたい所だということで勉強と慰安を兼ねて、の旅行だ。
オオカミ様のお社も無事奉納できた事だし、オオカミ様の総本社でも有るので丁度良いだろう、と言う事もあった。

出発の前日、薄暗くなり始めた夕方に一人でオオカミ様の社にお参りに行き酒を納めてお祈りをした。あれ以来、新築されたお社には誰の気配も感じない。だが俺はオオカミ様が帰ってきてないかを確認する為に周に一回は訪れている。この日もやはり帰ってきては居ないようだと思いつつ立ち上がり、踵を返して鳥居を潜ろうとした時。
唐突に気配を感じて、俺はバッと振り向いた。

お社の前に、神官服に身を包んだ少年が立っている。涼しげな目元、高い鼻、薄い唇、細く尖った顎。雅な顔立ちの美少年だが、その瞳は吸い込まれそうな程に深い。そう、まるでオオカミ様の様な...
「オオカミ、様・・・?」
俺は自分に言うように呟いた。しかし、雰囲気は似ているが明らかに違う。
少年はふっと表情を和らげ微笑を浮かべると、何も言わずに振り返りお社の中に入っていった。
一瞬後を追おうかと思ったが、思い直して振り返り、鳥居を潜って階段を降り始めた。

翌朝早く、俺たちを乗せた貸切りバスは出発した。今日は走り詰めで走り、夜に名古屋で一泊。翌日は名古屋市内で観光及び熱田神宮見学。夕方から移動し、伊勢で一泊。伊勢神宮を見学して海の幸を堪能し、バスの中で寝ながら地元へ帰ってくる日程。
皆楽しそうに飲んで騒いでいるバスの中で、俺一人が昨日の事が気になり集中できずに居た。

帰ってからまたお参りに行って確認してみればよい、と気を取り直して名古屋で楽しい一日を過ごし、伊勢へと移動。
親方も弟子たちも飲んだ呉れての大騒ぎである。自分も気を取り直した積りでは有ったが、移動中はなんとなく考え事をしてしまう事が多くなってしまった。
伊勢での夜は大宴会で、ホテルの中での一次会だけで弟子の八割が討ち死に。夜の街へ飲みに出たのは結局親方とおかみさん、そして俺だけになってしまった。
伊勢はおかみさんの出身地であり、実家もまだ有るそうだが勘当同然で飛び出してしまったので帰ろうとは思わないとの事。
しかし、親方と俺の説得によって翌日実家へ寄る事に承知した。

翌朝、妙に朝早く目が覚めた俺は五時過ぎの暗い中なんとなく伊勢神宮へと向かった。もちろん後で皆と来る訳だが、何故か妙に行かなければならない様な気がした。伊勢神宮には外宮と内宮が存在し、外宮から内宮まではかなり距離が有るのでホテルで自転車を借りて来た。未だ薄暗い中、まずは外宮でお参りをする。敷地内を掃除している人や散歩している人と挨拶を交わしつつ歩いていると、身も精神も清められていくようだ。そして自転車を漕ぎ、内宮へと辿り着く。お社までの道をゆっくりと歩いていく。廻りは木々に囲まれ、静かな世界の中自分の息遣いだけがこの世の音の全てで有る様だった。

皇大神宮に辿り着き、手順どおりのお参りをする。そして、オオカミ様の事を想いつつ一心にお祈りを捧げた。
十分ほどの後に踵を返して来た道を歩き出す。まだ早いからか、参道には相変わらず俺以外は誰も通っていない。ゆっくりと歩を進めるうち、今まで感じた事のない気配を右手方向から感じて顔を向けた。
そこには、神服を着た女性が立っていた。
圧倒的な存在感と、神々しいまでの波動、とでも言えば良いのか、自分の足がガクガクと震えるのを感じた。目はその御方に釘付けなのだが、真正面から見詰めてしまうのを恐れるように焦点が全く合わない。震えているのが足ではなく全身なのだと理解するのにどれほど掛かっただろうか。動く事も出来ずにただ震えているしかなかった。

「そなた、か。」声が聞こえた。耳にではなく、直接精神に響くように。「そなたが、○○、ですか?」俺の名を呼ばれたようだ。震える体と精神を抑え付け、俺は震える声で辛うじて答えた。「は、はい、私が○○です...」「そうですか...」その御方は穏やかなお顔で微笑んだ様に見え、ふっと掻き消すように居なくなってしまった。
俺はその場にへたり込み、しばらくは立ち上がることも出来なかった。
そしてなんとかホテルに辿り着くと、ぶっ倒れるようにして眠ってしまったらしい。自分の記憶は内宮から自転車で漕ぎ出した所から後は、ホテルで目を覚ますともう夜だった所しか記憶が無かった。

俺が眠っている間、午前中は皆でお伊勢参りし、午後からは弟子たちは観光、親方とおかみさんは実家へ行ってきたそうだ。
実家では突然の娘の帰郷に驚いた様だが暖かく迎えてくれ、今までのわだかまりも解けておかみさんもとても喜んでいたとの事。ただ、最近実家の玄関前に女の子の捨て子が有ったらしく、その子をどうするか相談中だったそうで、おかみさんは実家に数日間残って手伝ってくる事になったそうだ。

帰りのバスの中、俺は親方に内宮で有った事と出発前にオオカミ様の社で逢った少年に着いて話した。
親方は驚いたように聞いていたが「おめぇがお伊勢さんでお逢いしたのは...おそらく...」と言ったきりそれ以上は言わなかった。
オオカミ様の社については、「もしかすると、代わったのかもしんねぇな...」と言ったきり、またも黙ってしまった。
ただ、俺は何かの確信を持った。自分でもそれが何か全く解らなかったが、とにかくこれからも俺に出来る事を一つ一つこなして行けば必ず良い結果が出る、という確信を。
弟子たちが疲れて眠りこける中、俺と親方は無言で酒を酌み交わした。
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宮大工様は良き血筋の方か尊い魂の持ち主なのでしょうね
私の血筋は呪われてまして、嫌な経験ばかりです
(生霊、悪霊にはもううんざり)
それから逃れたいからでしょうか、機会があるごとに神社に参拝しています
数年前に伊勢神宮に御参りさせていただきました
生きてるうちに一度行きたかったのです

外宮、内宮ともにお参りさせていただいたときに
拝殿で中をお隠しになっている大きな二枚の垂れ幕が
内側から風が吹いて布が巻き上がり
拝殿の様子を見せて頂いた事がとてもうれしかったです
自分勝手な思い込みですが、参拝の気持ちを
受け止めて頂いたのかもと思ったしだいです

幼少の頃からのこの辛苦がすべて夢であってくれたらな~
はやく楽になりたいなと思う今日この頃です(苦笑)

管理人さん、いつもお疲れ様です。
宮大工氏の話、いつも楽しみにしています。
神道に関連する話にはなぜか心引かれるのですが、
特にこの“オオカミ様”の話は心を揺さぶられるほど
感動をおぼえます。
宮大工氏とお会いできる管理人さんがとてもうらやましいです。
いつの機会にかお会いできれば良いなと思っています。
これからもいろいろなお話の連載がんばってください。
応援しております。

ねねたん様

いつもありがとうございます。
宮大工氏はおそらくねねたん様の言われるような方だと想像しております。
自分も、もうすぐ直接お会いできるのが楽しみで仕方有りません。
ななたん様も色々とご経験なさっておられるようですね。
宜しければ我がメンバーの一員に...?(笑)
自分は、こういった事であまり恐ろしい目に遭ったことが無いので逆に危ないのかもしれません。
ねねたん様も素晴らしいお心の持ち主だと自分は感じます。
きっと、良い方向へと向かっていくのも遠い事ではないでしょうから前向きに、気楽にやってください。これからもご来訪お待ちしております。

min様
ようこそいらっしゃいました。
暖かいお言葉ありがとうございます。
宮大工氏のお話、特にオオカミ様のお話はかつて日本人の誰もが持っていた神様とのコミニュケーションとでもいうべき物が感じられます。
心穏やかに、そして優しい気持ちを持っていれば誰にでも感じられる事なのかもしれません。
オオカミ様にお会いできるような清らかなこころをもてるようになりたいものです。
いつか、可能ならば、応援してくださる方々と宮大工氏とが語れる場を設けてみたいものです。

はじめまして!

いつも更新楽しみにしています(^O^)
が!久しぶりに来てみたら、携帯から本文が見れないんです(><;)なんとかならないでしょうか…(ノ_・。)

雪様

ようこそいらっしゃいました。
ご愛読ありがとうございます。

他の方からも見えないとのご意見をお寄せいただきましたので、
再度模様替えを行いました。
そうも、白い文字は携帯からは見えなくなるようですね。
今回は如何でしょうか?ご要望などあれば遠慮なく仰ってください。
これからもよろしくお願いいたします。

ありがとうございました☆

携帯からも本文を見る事ができました☆彡ありがとうございました(^-^)

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