現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第三十壱夜 狐誘幻 【後】 12/27

それでは、今夜は「狐誘幻」後編をお届けしよう...

宮大工氏の現在の生活状況を知ったのはつい先日だが、非常に興味深い状況であるらしい...お逢いできるまであと一週間強となり、自分も美神も風熊も胸が躍っている。
お逢いした時には彼自身の口から様々な物語を聞かせてもらえると言う事なので興奮を隠し切れない。

それでは、今宵もお聞き頂こう...

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~翌朝一番でオオカミ様の社に酒を持ってお礼に行く。
鳥居を潜り、お社に酒を奉じてお祈りをする。
そしてそのまま稲荷様の社へ修繕に向かった。

途中で弟弟子達と合流し、お社で荷物を下ろす。
弟弟子達は荷物を下ろすと自分たちの割り当てられている現場へと散っていく。
社の中へ入り、図面を見ながら大まかなイメージを創り、早速仕事へ掛かった。
俺は仕事に夢中になると時間のたつのを忘れる事が多く、また集中力を途切れさせたくないので
一人で行う現場の時には昼飯を抜くか、夕方近くなって一段落着いてから食べる事が多い。
この日も仕事に興が乗って、気がつけばもう夕方の五時近くなり夕焼けが見え始めていた。
ふう、と一息つくと腹がぐうと鳴る。
この辺りで切り上げて事務所に戻るか、それとも弁当を食べてからもう一息頑張るか迷っていると突然社の扉が開いた。

「○○さん、ご苦労様」
入って来たのは例の美女。
妖艶な笑みを浮かべながら俺の左横へ立つと甘ったるい体臭が鼻を突く。
俺はオオカミ様のお守りが胸に有る事を確認たが、
確かに入れておいたはずのお守りがなくなっている。
狼狽してしまった事を隠すように平静を装いながら俺は答えた。
「こんにちは。どうしました?」
「うふ、貴方の仕事振りを見てみたくて。お邪魔だったかしら?」
小首を傾げながら聞く彼女に迷惑だと言える男はほとんど居ないだろう。
「いいえ、散らかっていますが、宜しければ見ていってください。」
女は社の中を見廻すと、「まあ...とても綺麗になってるのね。いいわぁ...」
本当に嬉しそうに満面の笑みを浮かべている。
俺が道具を片付け、立ち上がった瞬間に女が後ろから抱き付いてきた。
「貴方って、素敵な方ね...」背中に豊かな胸が押し付けられる感触が広がる。
頭の中が熱くなり、欲望が湧き上ってくる。思考が停止し、振り向き様に女を抱き締めてしまう。
「優しく、ね・・・?」勝ち誇ったような笑みを浮かべた女の顔が目の前にある。
目を瞑り、紅い唇を近付けてくる。俺の理性は跡形も無く崩れようとしていた。

次の瞬間、俺の脳裏に髪飾りを抱き締めながら涙を溢れさせていたオオカミ様の顔が甦った。
熱くなった脳髄がすーっと冷え、理性があっという間に戻ってくる。
俺は女の肩を掴むと、体から強引に引き剥がした。
「ーっ!?」彼女は目を開け、呆けたようにポカンとした後、夜叉の様な顔となった。
「私に恥を掻かせるなんて...どういう積り...?」
切れ長の眼が夕日を受けて赤く光る。その迫力に、俺は竦んでしまった。
なんとか後ずさりしつつ扉へと近付く。女の顔は、既に人のそれではない。
鼻が尖り、口からは尖った歯が覗き始めている。

「なぜ...?そんなに想える...?此処には居ない方を...人の癖に...」
ぶつぶつと呟きながら徐々に近付いてくる。
俺は本能から来る恐怖に慄きながらも、オオカミ様を想い祈り始めた。
今にも女が俺に向かって飛びかかろうとした瞬間、俺の真後ろから声が響いた。
「その辺になさいませんか?岩倉之眷属殿」
この声は、あの少年の声。俺はふっと安堵し、そのまま意識が遠のいてしまった。

意識が戻った時、俺は布団の中で見覚えの無い天井を見上げていた。
ふと横を見ると、其処には神主さんの娘さんが座っていた。
「よかった...気が付いたのね...」
彼女は涙ぐんでいる。彼女が呼ぶと、神主さんご夫婦と親方が部屋に入ってきた。
「俺は...一体どうしたんです?」俺が呟くと親方が答えた。
「夜になってもおめぇが帰ってこないんで、お社へ行ったら中でおめぇがオオカミ様のお守り握り締めてぶっ倒れてたんだ。
こりゃ以前と同じ事になっちまったかと救急車呼ぼうとしたら妙な子供が現れて、
○○様は寝かしておけば心配ないと言うのでとりあえず神主さん家にお邪魔したんだ。
一体何が有った?あの子供、ただもンじゃねえな?あと、お社から泣きながら駆け出てきた女が居たが誰なんだ?」
矢継ぎ早に質問してくる親方に途惑いながら、俺は明日、オオカミ様の社へお礼に参らなければと考えていた。

そして、オオカミ様の社はおそらくあの少年が主となったのだ、と漠然と感じた。
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全てが嘘とは思わないが、かなり漫画的な脚色がされてる予感

宮大工さんの話 とても楽しみにしています
神とこれほど縁のある人は まず いないでしょうね
心から 羨ましい気持ちです

神主娘さんは間違いなく、宮大工殿にほの字ですね♥
(*^_^*) ポッ

らしー丸様
ようこそいらっしゃいませ。
その答えは貴方の中にだけ、有ります。
これからもどうぞよろしく...

エビキチ様
ようこそいらっしゃいませ。
ありがとうございます。
神とご縁のある人にも、それに応じて大変なことが起こるようです。
どちらが幸せかは、当事者にしか答えは出せないでしょうね。
これからもご愛読お願いいたします。

ねねたん様
いつもありがとうございます。
自分の見る所、稲荷様も宮大工氏にほの字の様な気がします...?
本当の魅力有る男は、神にも人にも男にも女にも良くモテるのでしょうね。

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