現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第四十六夜 妖狐哀歌 3 02/14

皆様のご指摘どおり、宮大工氏は非常にモテるそうだ...
本人の口からはまったく聞かせては頂けなかったが、
自分が「宮大工氏はとてもモテるんでしょうね~」
と話を振ってみたら晃さん優子さんご夫妻を始め、
弟子の方々や親族の方々からは多くのモテ話を聞かせていただけた...
昨年末に資材会社の事務の女の子から貰ったラブレターの話とか、
バレンタインに仕事場近くの高校の弓道部の女子生徒に
たくさんチョコレートを貰い、その中に一つ二つ
マジもんのラヴレターが入っていたとか...(以上晃さん談)

そのうち、宮大工氏モテ話特集の様な状況となってしまい
本人は真っ赤になり必死で逃げようとしたのだが
額に青筋立てながら女神の微笑を浮かべる沙織様に
セーターの端をしっかと掴まれて逃げ出せず、
最後にはコタツの中へ潜り込んでしまい、
沙織様と優子さんに背中を孫の手でビシバシと引っ叩かれていた...。

話を振った自分も流石に少々気が咎めてしまったが...

しかし、当然むやみに手をつける様なことは無かったそうで、
まさに本物の硬派な漢と言えるだろう...

それでは、引き続きお届けしよう...

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~部屋に入り、灯りを点ける。
缶ビールを取り出し、口を開けて晃に渡す。
しかし、晃は今夜は帰るからと辞退した。
「で、相談ってのはなんだい?」
缶ビールをコップに注ぎながら問うと、晃が話し出した。
「実は、優子さんのことなんです...」

優子さんは前回の騒動以来、なんだかんだとウチの事務所に顔を出し、
時々会計や帳簿つけの手伝いをしてくれるようになった。
また、親方やおかみさんもシャキシャキした気持ちの良い性格の優子さんを
とても気に入っており、手伝ってくれた時にはバイト代もちゃんと払い
なんだったら正式に就職してほしいとまで言っていた。
料理も上手く、よく気が利くので弟子達からも姉貴分として人気が高い。

「で、優子さんの素晴らしさは良く解ったし俺も知ってるが、結局何が言いたいんだ?」
優子さんの事を誉めるのは良いのだが、ちっとも相談事に入らない晃に
業を煮やした俺は先を促した。
「・・・兄さんは、優子さんの事をどう想ってるんですか?」
突然の問いに、俺は口に含んだビールを噴出してしまった。
げほごほとむせる俺に台拭きを渡しながら、晃はこちらを見ている。
俺は平静を装いながら、逆に聞き返した。
「なぜ、そんな事を聞くんだ?お前には関係ないだろう」
少しの間を置き、晃が答えた。
「俺は...俺が、優子さんを好きだからです」

言われてみれば、心当たりが無い事は無かった。
優子さんが来ている時の晃の態度や、
俺と優子さんが出かける時に何度か見せた
ちょっと不貞腐れてるというか、拗ねているような態度。
そうか、こいつ...
その時、先ほどまで一緒だった優子さんの姿がフラッシュバックした。
くちづけた時の柔らかな唇、抱き締めた時の感触と髪の甘い香りが鮮明に甦り、
俺は気恥ずかしさと自分への苛立ちからつい語気を強めてしまった。
「お前が優子さんを好きだと言うのは解った。
 だが、それを俺に伝えてどうしようと言うんだ?
 もし俺が優子さんと付き合っているなら、別れてくれとでも言うのか?
 それとも、そうだったら諦めようとでも思ってるのか?
 それよりも、優子さんにお前の気持ちを伝えるのが先だろうが!」

晃はキッと俺を睨み、答えた。
「優子さんには気持ちを伝えました!そして、答えは貰いました...
 優子さんは兄さんが好きなんです...
 優子さんは、泣きながら俺に謝りました。
 どうしようもない位、兄さんが抄きなんだと...
 兄さんが想っているのがオオカミ様だと、とても敵わない方だと
 解ってるけど、でも死にそうな位好きなんだと...」
俺は返す言葉もなく晃をみつめた。
「だから、兄さん!お願いします!優子さんの...優子さんの気持ちに...」
最後は言葉にならない。晃は泣いていた。

その後、俺も晃も無言のまま、晃は帰って行った。
俺は今夜の自分の行動を思い起こし、自分の迂闊さを責めながら
風呂に入り、寝床へと入った。
電気を消し、目を瞑るがまったく眠れない。
優子さんを愛おしく想ったのは勘違いなんかじゃない。
しかし、男女としての愛情であったのかは自信が無かった...。
結局眠れぬまま、窓の外が白んできた。
時間を見るとまだ午前五時前だ。
俺は起き出し、着替えるとヘルメットとグローブを掴んで外に出た。
バイクにキーを差込み、オオカミ様の社へと向かい薄暗い闇の中に滑り込んだ。

林道を走り、オオカミ様の階段下へ辿り着く。
その時、階段の上から誰かが降りてくるのが見えた。
こんな時間に、一体...?俺は不審に思いながらバイクから降り、
人影に顔を向けるがまだ暗くて良く解らない。
しかし、靡く長い髪が認められた。
まさか...オオカミ様!?心臓がドクンと脈打つ。
俺は、逸る気持ちを抑えながら階段を上り始めた。
ハッキリとその顔が見えたとき、俺の全身に冷や汗が噴出した。
あれは...お狐様!
つい数時間前に見た、妖艶な姿がそこに在った。
足を止めた俺の所まで音もなく彼女が降りてくる。
そして、俺の横でピタリと止まった。

「久しぶり、ね。○○さん。逢いたかったわ...」
俺の目は彼女の切れ長の瞳に吸い付いたまま離せない。
しかし、やはりかつて感じた様な険は無い。
「ふふ、でもさっき逢ったばかりよね。貴方は優子と接吻してたけど」
紅い唇の端を上げ、妖艶に微笑う彼女。脳髄まで蕩かされそうな艶っぽさだ。
「優子は、良い娘よ。泣かしたりしないでね」
彼女は突然、固まったままの俺の頬に接吻した。
そして、そのまま階段を降り始めた。
「貴女は、誰なんですか!優子さんの、何なんですか!?」
俺の口から咄嗟に一体何を聞きたいのか解らない様な言葉が出た。
彼女は、少しだけ振り返りながら小声で答えた。
「私と優子は、***だから...」
「え・・・?」
肝心な所が良く聞こえず、聞き返す俺に目も呉れず
彼女はふっと姿を消してしまった。
残された俺は呆然と立ち尽くしていたが、
突然響き出した笛の音で我に返った。
振り返ると、階段の上にあの少年が立ち、笛を吹いていた。

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私と優子は、***だから...」
***部分は御分霊(わけみたま)なのかと思ったり

少し気になる事があるので書きます
沙織様は「少年神様」の深き愛によって「あのお方」から
罪を許され人間界に転生なされた訳ですが
はたしてあのお方が「情」だけで罪を許されるでしょうか?
その上、神霊の人間界へ転生をおいそれと許可なさるのか?
オオカミ様の想いは神界において、ある意味「我侭」でしかなかったはずです
だから「大神様」は罰をくだされた
沙織様が許され転生なされたのは大神様の深き考えの下
何かしらの使命をもって人間界に行く必要があったのではないかと
オオカミ様の後継にあえて少年神様をなされたのも何かを感じます
沙織様の転生に費やされる「力」は少年神様の失われた
「神通力」が使われたのではないでしょうか
また女神を妻となされた宮大工様もその魂もしくは血筋が
遠い過去世に神界に繋がるのではと思っています

そういう意味では優子様の家系も神界の血を現世に残す
使命を与えられた方々の一つなのかも知れませんね
沙織様、優子様の「婿」が共に宮大工なのも
大きな縁を感じずにいられません

以上、妄想ねねたんでした(^ω^)

晃さんの優子さんへの一途な気持ちも伝わってきますな(´∀`)少年の神様も出てきて今後の展開に期待!!
てか、最近宮大工という仕事にとても興味を持ってたり…

J様、参考書の件ありがとうございました。
「古事記」を薦められたのは少し意外でしたが、折を見てじっくり読んでみようかと思います。
胡散臭いとか真偽がどうとかは、結局自分ですべて読んでみて判断するしかないようですね。

私の中では、キリスト教や仏教、イスラム教など世界の多くの宗教や各地域の人々の信仰は、すべて日本の神教と何ら変わらない「ひとつの世界」だと思い始めています。
その地域の歴史や風土・文化によって解釈や表現が違うだけのものだと。
それを少しでも確かめたくて、真実に近い事が書いている書物やHPがあるかどうかをお尋ねしてみました。
何せ、その世界の記憶をすべて持っておられる方とお知り合いなので、「あれは嘘」「これは少し合ってる」というふうに簡単に見分けられるんじゃないかと、先走りしてしまいました。

努力を惜しんだのは反省しないといけないですね。
ここには「真実」があると思い、「答え」のみを求めてしまっていたようです。

ますます目が離せませんね(^ー^)
ところでJ様は、オオカミ様のお社に連れていって頂けたのでしょうか?

ねねたん様
御分霊、ですか。流石ですね。
また、しっかりとした分析も流石ですね。
あの方のお考えは我ら人間では遠く及ぶところではないでしょうが、
様々なお考えがあってのことだと思います。
それはこれからの世の中で、示されて行く様な気がします。

しゅう様
宮大工、と言う仕事は厳しくもやりがいのある仕事だと思います。
もしあなたが若く、目標が定まっていないのでしたら一考するのも良いかも知れませんね。

takataka様
沙織様は、
「難しく考えず、様々な神々と触れ合えば良いでしょう。
 ただ、金銭を必要以上に要求したり、政に関わろうとする団体には
 関わらない事です。」
と仰っておりました。
自分も色々と勉強して行こうと思うので、一緒に頑張りましょう。

紅魚様
実は、前回は行けなかったのです。
今回、風熊は行く積りとの事なので、報告を期待してます。
 

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