現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第五十夜 女神霊慰 02/22

ただいま、自宅へと帰ってきた...
今回、自分は遅れてしまったが
沙織様に拠り奇蹟が行われた...。

まずは、祐樹の亡くなった姉である
「葉月」の話をお送りしよう...

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~今回、俺はJと風熊に誘われ、オオカミ様の転生であるという
沙織様にお逢いする為、宮大工様のお宅にお伺いした。
Jと俺は学生時代からの親友だが、風熊と俺は従兄弟である。
風熊をJに紹介したのが俺なのだが、
最近は風熊とJの二人のほうが頻繁に会って居るみたいだ。

まず、俺達姉弟と風熊の関係を簡単にお話しよう。
俺達姉弟はかなり田舎の出身で、姉は特異な体質の事が有り
追われる様にして実家を飛び出し、姉を愛していた俺も姉を追って飛び出した。
風熊とは住んでいる地域が離れていたが、
俺達よりも年上の彼は姉に対して酷薄な対応をする
親戚筋の連中から護ってくれ、姉が家を飛び出した時にも
ずっと庇い、精神的にも金銭的にも援助してくれた。
俺の学費や生活費は実家が出してくれたが、姉は家出同然だし、
母は姉を深く愛していたけれど父や祖父母は姉に対しての情が薄く、
援助はほとんど無かった。
姉はとても頭が良く、ある意味天才だったと思うが
そんな事情から進学は出来ず、事務の派遣社員で暮らしていた。
しかし22歳の時、本当に呆気なくこの世を去ってしまった。
それから俺はJや風熊の励ましでなんとか立ち直り、
二度の結婚をしたが上手くいかず、また時々姉さんの幽霊も見ることもあり
きっと姉さんが俺から離れられないんだろう、寂しいんだろうと思い
このまま独りで過ごしていく事に決めていた。

沙織様にお目に掛かった時、俺の目は彼女の漆黒の瞳に
吸い付けられて離せなくなってしまった。
「祐樹さん、貴方はお姉様が貴方に憑いているのではなく、
 貴方がお姉様を放さない事に気付いていませんね。
 いえ、違う。無理に忘れているのですね...」
その言葉に衝撃を受ける俺と風熊。
そして、沙織様は滔々と語りだした。

 「・・・祐樹さん、貴方の後ろには確かにお姉様が居られます。
 左右の瞳の色が違う、とても美しい方ですね。
 そして、貴方の事をとても愛し、心配しておられます。
 また、強い意志の持ち主らしく霊となってかなりの年月が経っているのに
 自我を崩壊させる事無く貴方を見守っています。
 ただ、その事はお姉様に大きな苦痛と忍耐を強いている事を心に置いて下さい。
 そして、貴方とお姉さまは確かに愛し合っているけれど、
 貴方の愛は姉弟を超えた男女としての愛ですが、
 お姉様の愛は、通常の姉弟愛よりもとても強いけれど
 男女の愛では有りません。
 それは、生きていらっしゃった時から、です。」

俺は頭を鈍器で殴られた様な衝撃に襲われた。
俺は姉さんを愛し、姉さんも俺を愛してくれた。
それはもちろん肉親としての愛でも有るが、男女の愛でも有ったはず。
茫然自失に陥った俺を痛ましげに見ながら、沙織様が語り続けた。

 「その事は、貴方も解っていた筈です。
 しかし、貴方はお姉様を愛する余りそれを認められず、
 お姉様のお言葉も、そしてお姉様がある男性を愛していた事も
 ご自身の心の中に封印してしまい、忘却してしまったのでしょう...」

・・・そう、俺は確かに、姉さんの言葉を信じられなかった。
そして、姉さんが女として本当に愛した男の名前も、忘れていた。
いや、無理矢理記憶を押えつけていたのだ。

 「お姉様は、そんな貴方が不憫で、そしてお姉様を求め続ける
 貴方の傍を離れがたくて苦痛を伴いながら現世に居続けているのです」

呆然とする俺。
沙織様の言葉で、自分自身が封印していた記憶が甦ってきた。
亡くなる半年ほど前、姉さんが俺に打ち明けた事。
「ねえ、祐ちゃん。このままじゃ二人とも駄目になっちゃう。
 祐ちゃんの事は愛してる。だけど、私達は姉弟なの。
 祐ちゃんだって、可愛い女の子と普通の恋愛をして、家庭を持たなきゃ。
 それに、私も愛してる人が居るの...」
あの時、俺はどうしたか。
醜く泣き喚き、そして姉さんに縋った。
姉さんに好きな男が出来たのなら、俺が捨てられるのは仕方ない。
だけど姉さんが俺を捨てるなら、俺は生きてる意味が無いから死ぬ...
姉さんは悲しそうに微笑み、そして言った。
「解ったわ。私は祐ちゃんの事が一番大切だから、
 祐ちゃんの思うとおりにするね。大好きよ、祐ちゃん...」

俺は自分の罪の深さと情けなさに愕然とした。
姉さんを苦しめ、悲しませたのは俺じゃないか!
俺のエゴだけを通し、そして姉さんの想いを踏み躙り、
命まで奪ってしまった・・・

「違います!貴方がそんな風に自分を責めるのは逆効果です!
 お姉様は、貴方を愛し、貴方を心配しながら逝きました。
 だから、お姉様を解放してあげる為には、貴方自身が
 笑いながらお姉様を見送ってあげなければ駄目。
 そして、風熊さん、貴方も...」

そう、姉さんが愛していた男は、俺達を一番理解し、
身を挺して庇ってくれ、優しく、暖かく接してくれた、風熊だった...

「・・・鈍い俺でも、葉月の想いには気付いていた。
 が、葉月は何も言わなかったし、俺もそ知らぬふりをしていた。
 しかし、葉月が亡くなる直前、祐樹が大学から帰ってくる前の病室で
 熱に浮かされた彼女が俺にキスして欲しい、と頼んだ事があった。
 俺は額にキスをしたが、葉月は悲しそうな顔をしていた・・・
 あの時、なぜ葉月の願いに応えてやれなかったか、
 俺は今でも深く悔やんでるんだ...」
風熊の目から涙が落ちる。

沙織様がすっと立ち上がり、両手を合わせて
何か呪文のような言葉を唄うように唱えだした。
その直後、沙織様の前に白い靄の様な物が集まりだし、急速に人の形を取る。
そして、そこに生きていた時そのままの姿の姉さんが顕われた。
「姉さん...」「葉月...」
息を呑む俺達。姉さんは瞑っていた目をふっと開け、微笑んだ。
姉さんは風熊に近づき、じっと彼を見つめた。
風熊が姉さんの頬に手を触れる。姉さんは風熊の暖かく大きな手が好きで、
逢うといつも頬を撫でてくれる様にねだっていた。
姉さんは頬にあてられた手に両手を沿え、目を瞑った。
風熊はそっと姉さんの顔を引き寄せ、口づけをした。
姉さんは嬉しそうに微笑み、風熊に何かを呟いたようだった。

そして、すうっと俺の方へやって来た。
俺は姉さんに謝りたくて、抱きしめたくて、
もう何をして良いか解らなくなり、ただ涙を流していた。
そんな俺を姉さんはきゅうっと抱き締め、俺の心の中で囁いた。
”祐ちゃん、沙織様のお陰でやっときちんと逢えたね...
 祐ちゃんはもう私が居なくても大丈夫だよね...”
俺は泣きながらだがしっかりと微笑み、ハッキリと口にした。
「姉さん、俺はもう大丈夫。今までありがとう。
 俺はこれから、幸せになる為に頑張るから。」
姉さんは優しく微笑うと、沙織様の前に戻り、
沙織様に深く一礼し、すっと消え去った。
そして、珠の様な汗を浮かべた沙織様がふう、と息を吐いた。

「葉月様は、本来、往くべき場所に向かわれました。
 また、いずれ彼の地でお逢い出来るでしょう...」

ふらついた沙織様を風熊が抱き止める。
それを見ながら、俺は心から神の存在を信じた。
なぜなら、目の前に、女神が存在しているのだから。 
 
 
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ずっと愛読してます。
珠の汗、のところまできてちょっと泣けました。

か、風熊様、そうだったんですね
本当の漢であると想いました
ぜひともJ様、風熊様と今生でお会いしたいものです

沙織様にはなんとお礼を言ってよいものやら
感謝の気持ちで胸が熱くなりました
折れそうな心と融通のきかぬ体を引きずりながら
なんとか綱渡りのように生きている毎日です
皆様とお会いする日に巡り逢いました時には
特上の焼酎を持参して馳せ参じたい所存です
沙織様に飲まれすぎないように注意しながら
語り合いましょう(笑)

九州男児ねねたんでした(・∀・)

mieです、こんにちは。
祐樹さん、風熊さん、そして葉月さん
皆さんの心にかけられていた枷が取られたんですね。
よかったです。
生きているのに心が死んでいるような
そんな状態は辛すぎますから……。
みんな幸せなら、みんなが幸せ(なんだか意味わからないですね)
そういう風に生きていきたいものです。

それと、先日のコメントへの返信ありがとうございました!
胸のあたりが暖かくなって、ポワポワ~って感じです。
夫婦で望んだ子ですが、同時に「望まれた」とも思っているので
まずは無事の出産までこぎつけようと改めて決意しました(笑)

いつか上の子と、現在おなかにいる子と、夫と
家族揃って伊勢にお参りします。
では。

記念すべき第50回のお話が祐樹さんの奇蹟のお話で何よりです。
彼のこれからの幸福を心からお祈りいたします。

次は風熊さんのお話が楽しみです。

お話を読むごとに思うのですが、
J殿も含め周りの方も感受性もしくは人間性が高次な方達ばかりですね。
“類は友を・・・”の言葉通り、人間性のレベルやその人が持つ心の周波数?
的なものがつり合わないと、出会ってもとおり過ぎるだけですから。。

神にも愛される純粋かつ高次な魂を持つ宮大工氏、またその宮大工氏と
交流を持てる人格をもつJ殿をはじめとする皆さんはとてもすばらしい方々
なのだろうと、このブログを読むたびに憧れてしまいます。

また、このブログを読まれる方もまた、高次な方々が縁により集まっていると
思っています。素直な感想、励ましやいたわりの言葉、そういったコメントで
あふれています。

集めるべくして集まりはじめているこの縁を、とても大切にしたいと思っています。
これからも引き続き色々なお話を綴ってください。

毎日 楽しみに訪問させて頂いております
さて これを具体的に....した事が有りませんか
記憶があり探したのですが

物質化についての豆知識

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/6-5.htm

(前略)

 交霊会における手の物質化は日常的だったようである。「手」は交霊会が終わると消滅してしまうが,パラフィンに指紋を残したり,染料や石膏で手型を取ることがなされた。霊媒フローレンス・クックに至っては,「幽霊の全身」を物質化したと,物理学者のクリックによって報告されている。

(中略)

 ホーム以降,物理霊媒の起こす現象の規模は,奇妙なことに段々と縮小していった。

(後略)


※ 上記URLより抜粋

本当に

Jさまの周囲には純粋な魂をお持ちの方が多いですよね。うらやましいです。

ところで、応援のメッセージありがとうございました。
沙織様が仰っているように逆境に負けず自分をしっかり持つように頑張ります。

う様
ようこそいらっしゃいました。ずっとご愛読いただきましてありがとうございます。
また、これからもご愛読の程、よろしくお願いいたします。

ねねたん様
風熊...意外とモテますね...
しかし、葉月の気持ちはなんとなく自分も気付いていました。
自分も風熊も、ねねたん様とはいつか語り合いたいと思っております。
あと、沙織様からねねたん様へ、メッセージです。
「ねねたん様、貴方様ならばどのような逆境でも挫けず跳ね返せるでしょう。
 いつか、美味しいお酒をご一緒しましょうね。
 あと、私は妊娠してなければお酒たくさん飲めますので
 美味しい焼酎たくさん飲ませて下さいね」

mie様
祐樹、風熊、そして葉月。
優しく、不器用な三人の心の重しが沙織様によって解き放たれました。
そして、自分の想いも焉われたようです。
新たなる門出に望んだ四人に祝福あれ。
また、沙織様がmie様と二人のお子様の事を毎日お祈りしてくださっているそうです。
この世に生まれてくる全ての赤子が幸せになれるような世の中にしていきたいですね。
伊勢は沙織様の生まれ故郷でも有りますし、あのお方のおわす処でもあります。
是非とも、ご参拝なされると良いでしょう。

min様
我々ごときに過分なお褒めの言葉を頂きましてありがとうございます。
しかし、自分は本当にたいした男ではありません。
毎日を生きる為に必死なだけの、不思議話蒐集家です。
ただ、そのお陰でとても良き縁に恵まれているとは思いますし、
それに感謝しております。
もちろん、読者の皆様との素晴らしきご縁にも。
これからもよろしくお願いいたします。

エビキチ様
お元気そうで何よりです。
しかし、今回のコメントは書きかけの様ですが、
何かありましたでしょうか?
宜しければコメントの続きを頂ければと思います。

名無し様
とても興味深い資料をありがとうございます。
霊体の物質化、というとエクトプラズムを思い起こしますが
沙織様の行なったモノはそういったことを遥かに凌駕していたようです。
自分もその場に居合わせ、葉月に一目逢いたかったです...

蔡廉様
自分は汚れた魂らしく、葉月に逢う事は敵いませんでした(苦笑)
蔡廉様にも沙織様はお祈りしてくださってると仰っておりました。
挫けず、しかし気を張り過ぎないように頑張ってくださいとの事です。





いつも拝見しております

はじめまして!ずっと拝見していたのですが、私ごときがコメントなんて…と
ずっとromっておりました。
…でも、今日のお話。拝見して思わず号泣!
祐樹さん、風熊さん、そして葉月さん…本当によかった!
私にとっても今日休みだったことで本当に助かりましたです、はい(目が腫れて(笑))。

私もいろいろありますが、頑張っていこうと思います。
微力ながら誰かの役に立てばいいなとおもいつつ…。

エクトプラズムはただの仮説です

”J”様

>霊体の物質化、というとエクトプラズムを思い起こしますが
>沙織様の行なったモノはそういったことを遥かに凌駕していたようです。

資料にもありますが、評価するに値する霊体の物質化現象自体が19世紀を中心に行われた降霊会以降においては確認されておらず、今回の事例と比較することが出来ません。ですが、記録で見る限りではほぼ同じ現象と考えてよいでしょう。それよりも、「沙織」様という存在が「オオカミ様」の物質化した存在、つまり正常な生殖過程を経ないで生まれてきた人間である可能性が疑われますが、そのことのほうがよっぽど特異な事例ではないでしょうか?

ぴよぴよ様
ようこそいらっしゃいました。
大したブログではないので、お気軽にコメント頂きたいと思います。
皆様からのコメントは、我々の大きな支えになっておりますので。
また、あなたがこの世に居られるだけで嬉しく感じている方が必ず居ります。
まず、我々がそう思っております。沙織様に拠れば
「気楽に、楽しく生きるようにすれば皆幸せになれますよ」との事ですので。
またのご来訪、お待ちしております。

名無し様
ココに良く来られるもるだー様と同じようにあなた様も科学(化学)的に
こういった現象を捉えようとしておられるのですね。
自分も、もし解明できるのであれば非常に興味深いと考えておりますが
解明する事に躍起になって、道を踏み外さない様にしたい物ですね。
また、これからもご愛読お願いいたします。

科学的かどうかでなく、“理性”が重要なのです!

http://www5a.biglobe.ne.jp/~spk/sp_newsletter/spnl_backnumber/spnl-08/spnl-08-3.htm

(前略)

シルバーバーチのような高級霊は、“理性”を用いて通信の中身を吟味することの大切さを強調しています。霊からの通信を無批判に信じ込むことの弊害を訴え、自分(シルバーバーチ)に対してさえも、疑ってかかりなさいと言っています。

(後略)


※ 上記URLより引用

名無し様
ご指摘ありがとうございます。
自分はオカルトや不思議は大好きですが、
無条件に信じ込んだり思考停止は行ないません。
かと言って、疑いだしたりトコトンまで追求する事もしません。
自分自身が楽しむ事が大切だと思っております。
新興宗教の一部の様に人を騙して儲ける事を目的とするような輩に対しては
毅然とした態度と理性を持って望むべきでしょうね。

これからも様々な角度からのアドバイスやご指摘をお願い致します。

”J”様

少しは分かっていただけているようなので、ちょっとだけ安心しました。

それでは失礼します。

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