現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

スポンサーサイト --/--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第五十六夜 聖女融同 03/08

しばらくご無沙汰してしまった...
クライアントから大急ぎの仕事が入り、
月曜から先ほどまで仮眠以外ぶっ通しで仕事をしていた。
所長も自分も三日で五時間ほどしか寝ていない...

無事に納品し、帰宅してベッドにもぐりこんだが
全然眠くならないので、宮大工氏宅にお邪魔している
風熊からメールで来ていた沙織様のお話をお送りしよう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~私が○○様の所へ嫁いで一ヶ月くらい経ってからの事です。
優しく、そして暖かく私を包んでくれる○○様との生活は楽しく、
とても満たされたものでしたが、それまで大騒ぎだった状態が落ち着き、
心身に余裕が出来た所で思わぬ事態が生じました。

私が沙織として生きてきた二十年の生の記憶と、
人ではない、神の端くれだったそれ以前の記憶、と言うか意識。
この二つがせめぎ合い、精神的に疲れてしまったのです。
強大なかつての意識に押され、人としての意思は叫びだしたいほど辛いのに
悠久の時を超えてきた意識は達観した様に人の感情の起伏を抑えようとします。
そんな事が重なる内、二十歳の娘としての意思が暴発して
私は自傷行為に及んでしまいました。
幸い遊びに来た優子さんが発見してくれて大事には至らなかったのですが、
○○様は夫として配慮が足りなかったととても落ち込み、
しばらく仕事を休んで付き添ってくれました。
そのお陰で精神的にも落ち着き、一時は回復しました。

しかし、○○様が傍に居てくれないとどうしても不安で、苦しくて
ついお酒に逃げてしまうようになりました。
元々がお酒に目が無いモノだった上に人としてもお酒に強い体質で、
○○様が帰ってくるまでは完全に酒浸りで、
少なくても一日一升の日本酒を空けてしまうようになりました。
幸いそれによって健康を損ねる事は無かったのですが、
このままではいけない、と思いつつも○○様に隠れて飲酒する日が続きました。
ある日、○○様を仕事にお送りしてから掃除と片づけ、買い物を済ませ、
いつもの様にお酒を飲み始めた時の事です。
グラスに注いだお酒をぐっと飲み干し、
ふう、と息をついた目の前にあの少年が立っていました。
本来、神の本当の名を現世で表現するのは難しい事なのですが、
人として転生する前、彼の事を私は”朧”と呼んでいました。

かつて信じあい、結ばれ合っていた頃の彼より姿が幼くなっていますが
優しさ、そして深さはまったく変わっていない瞳で私を見つめています。
心を違え、彼を裏切るような事をした私を
責める所か庇い助けてくれた朧に対して
お酒に溺れるみっともない姿を晒してしまった事を恥かしく思い、
私はしくしくと泣き出してしまいました。
すると突然”沙織ちゃん、泣かないで...”
という女性の声が聞こえて来ました。
私が顔を上げると、朧の隣に綺麗、というより
とても可愛らしく優しげな女性が立っています。
朧よりも、頭一つほど高そうなその女性は初見なのに
どこか懐かしく、とても愛おしい雰囲気を持っています。
彼女がにっこり微笑んだ時、誰なのか私は気付きました。

「詩織...姉様...」
そう、その笑顔は私の大好きな姉のものでした。
その女性が詩織姉様の成長した姿と悟り、様々な意味で私は混乱しました。
朧が口を開きました。
「ヒト一人の精神力では巨大すぎるかつての意思に耐え切れるものではない。
 だが、信じ合い、慈しみ合う二人のヒトならば乗り越えられると主は仰った。
 そして、貴女には信じ合い、慈しみ合える存在がここに在る。」
はじめ、私は朧の云わんとしている事が理解できませんでした。
しかし、朧の隣で微笑んでいる詩織姉様と目が合い、瞬時に理解しました。

”沙織ちゃん、私はあなたの中で生きるために、 朧様に修行をさせて頂いたの。
 今の私とあなたなら、オオカミ様の意思を受け止められる...”
「でも、でもそうしたら姉様はどうなるの?」私は疑問を口にしました。
「彼女は、貴女の中に取り込まれる。
 しかし、それは彼女の消滅を意味するものではない。
 貴女がかつての意思を取り戻す前、夢で詩織に逢っていた時に戻るのだ。
 そして、貴女の中で、沙織、詩織、かつての意思が共存していく事になる」
”沙織ちゃん、私はあなたと一つになれることがとても嬉しい。
 そうすれば、私も○○さんのお嫁さんになるのと同じだしね”
悪戯っぽく、可愛らしく微笑う詩織姉様を見て、
私もとても幸せな気持ちになりました。
「ありがとう、姉様...そして、朧。本当に貴方には感謝します...」
私はさっきとは違う、とても熱く満たされた涙を流していました。
私が立ち上がると、詩織姉様がすう、と近づいてきます。
両手を胸の高さに上げ、私と姉様は
両手の指を絡めてからまるでキスをするように顔を近づけました。
そして、詩織姉様はそのまますーっと私の中へ入ってきました。
その瞬間、今までせめぎ合っていた心が融け合うようになり、
重く、痛かった想いが霧散していくのを感じました。

その後、私はお酒に逃げる必要は全く無くなりました。
お酒好きなのは直りませんけれどね。
今でも私が困る時、悩む時には意識することなく姉様と通じ合います。
それどころか、姉様はおなかの赤ちゃんともお話しているみたいなんです。
でも、その事を聞くと姉様は「生まれてからのお楽しみ」
と悪戯っぽく言うだけで教えてくれません。

スポンサーサイト

J殿、お仕事お疲れさまでした。
しばらくご無沙汰されていたので、また体調を崩されたのではと思い、心配していました。とりあえずはお元気そうでなによりですが、大儀の後ですので、よくご自愛ください。

さて、沙織様にもとても大変な時期があったのですね。一見、オオカミ様から転生された御方ですので、我々凡夫のような悩みとは無縁と思ってしまっていましたが、うら若き女性ゆえの不安や悩みといった重荷を背負ってらっしゃったとは・・・。
でも、その悲しみや苦しみが、結果的には沙織様と沙織様を愛する人達との絆を更に深めるための機会となって良かったです。それに詩織ちゃんの夢もかなったわけですから・・・ヨカッタ(ノД`)・゚・。

Jさまお疲れ様でした。私は急な寒の戻りで風邪をひいてます。

ところで

私が案じていたことは現実に起きていたのですか。。。
神の転生も良いことばかりとは限らないのですね。
しかしオオカミさまが詩織さまという姉がいた沙織さまを依り代
に選んだことも故無きことではなかったということですね。
一連のお話は、いろいろな横糸を美しい縦糸がつなぐ、素晴ら
しい織物のように感じます。

今後もお体に気をつけて頑張って下さい。

姉様通信赤さんカワユス(*´∀`*)
苦難を乗り越えての大団円
ほのぼのほのぼの

PS.当分は極上特選焼酎はお預け(苦笑)

min様
ご心配ありがとうございます。
ぐっすりと眠り、体調は万全です。
沙織様も生身のうら若き女性であるので、やはり大変な事は有るようです。
しかし、詩織様との同化の後はほとんど問題は無いそうで安心しております。
沙織様の神々しさは、詩織様の同化により深みが加わったようですね。
宮大工氏も、沙織様と話していても時折詩織様の印象を持つ事があるそうです。

蔡廉様
お体は大丈夫でしょうか?どうかご自愛ください。
貴方様の先見の明に感服いたします。
自分も女神様なのだから人間の悩みとは無縁なのでは、と思っておりましたが
そんな簡単なものではないですよね。
しかし、無事に収まりほっとしました。
また、自分達の拙い文章でこの奇蹟をドコまでお伝えできるか不安ですが、
これからも努力していきますのでよろしくお願い致します。

ねねたん様
詩織様は赤ちゃんとどんな会話をしているのでしょうか?
自分もとても知りたいですが、生まれてくるまでのお楽しみですねぇ。
>>PS.当分は極上特選焼酎はお預け(苦笑)
沙織様の絶叫が聞こえてきそうです...(笑)

沙織さまが

沙織さまである、ということはとても大変な事だったのですね。

沙織様に嘗ての記憶が戻ったのち、詩織さんに関してのお話がなかったので、
今でも夢で会っているのか、それともその後現れていないのか、気がかりだったのです。
沙織様と詩織さんが一つになったと言うことで、なんだかとても安心しました。

上手く言えませんが、沙織さんにとって詩織さんは本当にお姉さんで
詩織さんにとって、沙織ちゃんは本当に妹なんですね。

姉妹仲の悪い紅魚なのでした。

コメントの投稿





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://kangenpatsu.blog83.fc2.com/tb.php/62-35b5b7be

 | HOME | 

プロフィール

管理人 ”J”

Author:管理人 ”J”

ようこそ、
現代不思議忌憚異聞録へ。

貴方のお時間を少々、
拝借いたしたく...


管理人代理へのメールはこちらへ...
syogo-hazawa@mail.goo.ne.jp

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

カウンター

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

アクセスランキング


FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。