現代不思議忌憚異聞録

日本・世界各地・そして宇宙まで我々が見・聞き・体験した摩訶不思議な怪異憚をつらつらと採録して行く。

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第五十八夜 熊神 03/13

結局、月・火と休みを貰って美神と一緒に宮大工氏宅にお邪魔した。
美神はまだ滞在するという事で風熊と共に残ったが、
自分は先ほど帰ってきた。
正直、自分ももう少し居たかったがそういう訳にもいかない。
風熊も、来週から仕事復帰とのことで明日には戻るそうだ。
自分は、晃さんご夫妻の計らいにより
春休みで帰ってきていた雅ちゃんと仲良くなる事が出来た…

今夜は、雅ちゃんが話してくれた話をお届けしよう…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~私の親友の美香は、なかなか面白い家族が居ます。
自宅は町からちょっと離れた丘の上に有り、
お父さんは陶芸家で、お母さんは会社役員、
そして七つ年上のお姉さんは人形作家という一家。
お父さんはそれなりに名の知られた陶芸家のようで、
バブルの頃には創る作品が飛ぶように売れていたようですが
弾けてからはそうも行かず、お母さんが会社役員でなければ
ちょっと危なかったという事です。
私もお父さんの作品を見せてもらいましたが、
私くらいの小娘ではなんだかピンと来ない感じでした。

お姉さんは美大を出た後に実家に戻り、
誰かに師事することなく独学でビスクドールを中心に
人形作家として活動し始めたそうですが、
私は彼女の作品に非常に魅かれてしまいました。
彼女の作品は、人形といっても人だけではなく色々な動物も多く、
またその動作や姿勢によってその人形の感情を表しています。
悲しみ、苦しみ、喜び、苦悩...
様々な内面世界をポーズによって現しているのです。
お姉さんはまだまだ無名ですが、彼女の人形達の表現力は
とても素晴らしく、私は将来必ずブレイクすると思い
お小遣いをはたいて一番気に入った人形を購入しました。
お姉さんはとても喜んで、本来の価格の
五分の一程度で譲ってくれました。
もちろん、それでも私のお小遣いの五か月分以上が吹っ飛びましたが。
私が買ったのは、熊の人形です。

その熊は、額に三日月形の傷がある熊で、二本足で立ち上がり、
空を見つめ雄々しく咆哮しているポーズでした。
とても凛々しく、カッコ良い熊ちゃんなのですが
角度によっては怒っているように、また悲しんでいる様にも見えます。
そして、それだけではない何か強い意志のようなものを感じました。
お姉さんにそういうと、彼女は感心したように話し出しました。
「雅ちゃん、凄いわね...そこまで感じてくれるなんて。
 そう、雅ちゃんの言う通りよ。
 彼は、怒ってもいるし、悲しんでもいるの。
 彼は愛する者を奪った者に怒り、護れなかった自分に怒り、
 そして二度と失わない事を誓って吼えているの」
私はモデルの熊はどういう熊なのか聞いてみましたが、
それに関してははぐらかされてしまいました。
私はちょうど恋を失ったばかりだったので熊のこころに共感し、
大切に持ち帰り、枕元に飾り熊のまーくんという名前を付けて
毎日話しかけたり撫ぜたりしていました。

それからしばらくしてからの事です。
私は部活で遅くなり、夜九時くらいに部屋に向かって
自転車を走らせていました。
学校から帰るのにいつも使う竹林の中を通る近道は
暗くなってからは恐いので使わないのですが、
この日は急いでいたので使ってしまいました。
ところが、竹林の中を半分程来た所で突然目の前に
若い男が三人飛び出してきたので、急ブレーキを掛けて止まりました。

私は危険を感じ、急いで逃げようとしたのですが
自転車のかごを掴まれてしまい逃げられません。
男達は下卑た顔で笑いながら私を自転車から引き摺り下ろそうと
腕を掴んで引っ張りました。
私は大声を上げましたが人家など無いので当然誰も来てくれません。
とにかく、一人でもぶっ飛ばそうと思い覚悟を決めた時、
竹林がガサガサ、と揺れて何かが飛び出てきました。

現れたのは一頭の大きな熊でした。
熊はコッフコッフ、と息をしつつ私達のほうへやって来ます。
男たちも私も呆然としてそれを見守っていましたが、
数メートルまで熊が近づいた所で男の一人が
悲鳴を上げて逃げ出しました。
それにつられ、残りの二人も駆け出しましたが
同時に熊も駆け出し、私の脇をすり抜けて男達に追い付き
腕の三振りで全員打ち倒してしまいました。
そして、私の方に振り向き、近づいてきます。
私は恐怖で竦んでしまい、逃げ出す事も出来ません。
ぎゅっと目を瞑り、もうダメなんだと半ば諦めました。

しかし、幾らたっても噛みつかれも吹き飛ばされもしないので
そっと目を開けてみると、目の前に熊の顔があります。
「!」
私は驚きましたが、熊の額に三日月形の傷を見つけました。
「・・・まーくん・・・?」
熊はぐるる、と喉を鳴らすように唸ると、私の頬を一舐めして
踵を返して倒れている男達の所へ戻り、
三人とも抱えて竹林の中へと消えていきました。

ふらふらとアパートに戻り、とりあえず美香の所へ電話すると
美香とお姉さんが車で来てくれました。
起こった事を詳しく話すと、お姉さんが話してくれました。
この熊の人形は、お姉さんが北海道でアイヌの人から聞いた
キムンカムイ(熊の神)の話をイメージして創ったのだと。
そして、原料に使った土はその伝説の有る土地から
持ち帰ったものを混ぜてあるのだと。

「とりあえず警察には届けたほうが良いかも知れないけど...」
お姉さんに連れて貰って警察には行き、被害届けは出しましたが
熊の話はしませんでした。
その後、私を襲い、熊の神に連れ去られた三人の男がどうなったか、
未だ知る事は出来ません。

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J殿お帰りなさい。雅ちゃんと仲良くできたんですね。良かった♪(ってか、いーなぁー(´ω`;;)テラウラヤマシス)

それにしても、雅ちゃんのお話も相当すごいですね・・・(読んでてちょっと寒気がするくらい)。このお嬢様も沙織様側の方ですよね。きっと将来は動物達のためにとても重要な役割を果たすのでしょう。
危急の際には、大いなる力に必ず護られる方なのでしょうが、“一人でもぶっ飛ばそうと思い覚悟を決めた時”の一文には、思わず吹いてしまいました。
きっと素敵な“姉御”タイプの女性になられるでしょう。これからのエピソードがとても楽しみです。

これからは雅ちゃんを「じぇーくん」が守るくま
早速風熊に古武道習うくま
唐突だけど「ぼくはくま」はいい歌くまー
( ・(ェ)・)

min様
雅ちゃんはとても強い娘さんです。
もしかすると、熊神の助けなくとも三人ぶっ飛ばせたかも...?
冗談はともかく、幼い頃から動物達を慈しんできた彼女、
たくさんの動物達に護られているでしょう。
熊神は、その動物達の代表として彼女の守護者となったのかもしれません。
元々、稲荷神からも護られているであろう彼女。
とても神秘的な、しかし普通の娘さんです。

ねねくまたん
風熊は現在怪我治療中なので激しい動きは出来ないくまー。
しかも自分は虚弱児童なのですぐヘタれるくま...(T(エ)T)
でも、雅ちゃんの為に頑張るくま!(`(エ)´)

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